こんにちは。Zianser編集部です。
「AIが仕事を奪う」という話題は、あらゆる業界で語られています。SES営業の分野でも「AIで自動化できるのでは?」という声をよく聞きます。今回は、実際に2年以上AIツールを業務に取り入れてきた経験から、率直な見解をお伝えします。
AIを使い始めたきっかけ
2023年にChatGPTが爆発的に普及し始めた頃、私もすぐに業務に取り入れてみました。最初の目的は「メールの文章作成」です。
毎日何十通も書くBP向けの案件・要員メール。これをAIに書いてもらえれば、時間が大幅に節約できると思ったのです。
AIが「使える」と実感した業務
実際に試してみて、AIが明らかに役立った業務は以下のとおりです。
1. メールの文章作成・添削
案件メールの文章を、AIに「件名と要件を渡して本文を作ってもらう」というフローを組み込みました。毎回ゼロから書くのに比べて、草案作成の時間が約70%削減されました。
また、自分が書いた文章をAIに添削してもらうことで、言い回しのぎこちなさや誤字を修正するのにも活用しています。
2. スキルシートの要約・整形
BPから送られてくるスキルシートの内容を整理して、エンドクライアントに伝えやすい形に要約する作業もAIが得意です。
「このスキルシートを300字で要約して、強みを3つ挙げてください」という指示で、ほぼ使えるアウトプットが得られます。
3. 定型情報の整理
単価帯・稼働可能日・スキルセットなどの情報を表形式で整理する作業も、AIに任せると素早くできます。
4. 業界ニュースのサマリー作成
SES業界の最新トレンド・IT人材市場の動向をまとめた情報を、AIでサマリー化してBPへの雑談情報として活用しています。
AIが「使えない」と気づいた部分
一方で、AIには代替できないと感じる部分も明確にあります。
1. 関係性の構築
BPとの信頼関係は、電話での雑談・食事・気遣いの言葉など、人間的な関わりの積み重ねで生まれます。AIはこれを代替できません。
むしろ「AIっぽい文章」を送り続けることで、関係が薄くなるリスクがあります。
2. 状況の機微を読む判断
「このBPは今、新規案件を探しているのかそうでないのか」「このエンジニアは今の現場に不満があるのか」──こうした「文章の行間を読む」判断はAIには難しいです。
3. 交渉・調整の場面
単価交渉・条件調整・トラブル対応などは、相手の感情や状況を理解した上でのコミュニケーションが必要です。AIにシナリオを作ってもらうことはできますが、実際の対話はやはり人間が行う必要があります。
結論:AIはSES営業の「敵」ではなく「道具」
2年間使い込んできた結論として、AIはSES営業の仕事を奪うのではなく、定型業務を効率化する道具だと感じています。
メール作成・情報整理・文章添削などの「作業系」業務をAIに任せることで、空いた時間を「関係構築・判断・交渉」などの「人間力が必要な業務」に使えるようになります。
AIを活用するSES営業と、活用しないSES営業では、今後の生産性に大きな差が出てくると予想しています。「使い方を学ぶコスト」は、早い段階で払っておく価値があります。
まとめ
AIによってSES営業の業務の一部は確実に変わります。しかし、BPやエンジニアとの信頼関係を築く力・状況を読む力・交渉する力はAIには代替できません。
「AIに仕事を奪われる」という不安よりも、「AIをうまく使って、自分の強みに集中する時間を増やす」という発想に切り替えることが、これからのSES営業に求められる姿勢だと思います。