【実話】「高還元SES」の闇を見た。面談で発覚した単価の"二重価格"と、ある営業の悶々とした一日
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【実話】「高還元SES」の闇を見た。面談で発覚した単価の"二重価格"と、ある営業の悶々とした一日

SES業界で急増する「高還元率80%以上」の謳い文句。しかし面談の現場でエンジニアがポロッとこぼした一言が、その巧妙なカラクリを暴いた実体験をお届けします。

2026年5月28日|Zianser編集部

こんにちは。Zianser編集部です。

最近、SES業界でよく目にするようになった「高還元SES」という言葉。
「給与は単価に連動!還元率80%以上!」といったキャッチコピーは、エンジニアにとって非常に魅力的に映りますよね。

しかし、世の中そんなに甘い話ばかりではありません。
今回は、私がある日のSES営業活動の中で実際に体験した、「高還元SES企業」の巧妙なカラクリと、その裏に隠された闇についてお話しします。

今でも思い出すと、なんとも言えない悶々とした気持ちになります……。


いつも通りの営業活動と、優秀なエンジニアとの出会い

その日も私は、いつものように案件と人材のマッチングを行うため、営業活動をしていました。

様々なビジネスパートナー(BP)企業からエンジニアの情報(スキルシート)が送られてくる中で、1人の優秀なエンジニアが目に留まりました。スペックは以下のような感じです。

項目 内容
年 齢 29歳(男性)
稼働開始 1月〜
提示単価 70万円
スキル Java, JavaScript, Spring Boot, SQL, Git, Linuxなど
経 験 基本設計〜試験まで一通り対応可能

20代後半でJavaとSpring Bootがしっかり使えて、設計から動ける。現在の市場価値から見ても、単価70万円は妥当、いやむしろ少しお買い得かもしれない。そう思い、私はさっそくそのエンジニアとの面談を設定しました。


面談の現場で起きた、エンジニアの「ポロッと言った一言」

面談当日。
エンジニアの方の物腰も柔らかく、スキルマッチも問題なし。面談は非常に和やかな雰囲気で進んでいきました。

しかし、案件の詳細や条件面の確認に入ったとき、そのエンジニアがポロッと一言、信じられない言葉をこぼしたのです。

「あ、条件面なんですけど、僕は自社の担当営業から『単価60万円の案件』と聞いています。なので、その認識で大丈夫です」

一瞬、私の頭の中はフリーズしました。

面談の場で単価の食い違いに気づき、固まってしまった営業の様子

「え……? 60万円……?」

私の手元にある、彼の上司(所属企業の営業)から送られてきた提案メールには、はっきりと「単価:70万円」と書かれています。

ここで私が「いや、こっちには70万って来てますよ」と言ってしまうと、大問題になりかねません。私はなんとかポーカーフェイスを保ち、「あ、なるほど。承知いたしました」と受け流しつつ、心の中で大きな違和感を抱えたまま面談を終えました。


ホームページに隠されていた「高還元率80%」の正体

面談終了後。
あの10万円の差額は一体何なんだ……?」という疑問が頭から離れず、私はそのエンジニアの所属企業のホームページを調べてみることにしました。

サイトを開くと、トップページに大きくこう書かれていたのです。

「我が社は安心の単価連動型!業界最高水準の**【高還元率80%】**をエンジニアにコミットします!」

その文字を見た瞬間、私の脳内で全ての点と線が繋がりました。

「なるほど、そういう作戦か……!」

つまり、こういうカラクリです。

本来の市場単価       → 70万円
エンジニアへの告知額 → 60万円(← 嘘)
エンジニアへの支払額 → 60万円 × 80% = 48万円
会社の手取り         → 70万円 - 48万円 = 22万円(本来は10万円のはずが倍以上!)

これなら、会社は「還元率80%」というクリーンな看板を掲げてエンジニアを大量に集めつつ、裏では「嘘の単価」を伝えることで、薄利多売どころか、しっかりと(しかも不当に)利益を確保できるわけです。

実態は、還元率80%どころか、本来の単価70万円から見れば**「還元率約68%」**(48万 ÷ 70万)。一般的なSES企業と大差ないどころか、エンジニアを欺いている分、タチが悪いと言わざるを得ません。


エンジニアが自分の単価を知る方法はあるのか

ここで一つ、重要な問いがあります。

エンジニア自身が「自分の本当の単価」を知る手段はあるのでしょうか?

いくつかの方法が考えられます。

1. 面談先の企業に直接確認する

今回のケースのように、案件紹介企業(私のような中間業者)に対して「こちらの単価はいくらで提案されていますか?」と聞くことができます。立場上答えにくい場合もありますが、正直に答えてくれるケースも少なくありません

2. 契約書・発注書を確認する

自社と締結する契約書には単価が記載されているはずです。もし記載がなかったり、確認を拒まれたりするようであれば、それ自体が危険なシグナルです。

3. 市場相場と自分のスペックを照合する

Zianserのような案件・単価情報を集積したプラットフォームや、転職エージェントへの相談を通じて、自分のスキルセットに対する市場単価の相場感を掴んでおくことが有効です。


まとめ:嘘の上に成り立つ「高還元」に未来はあるか

エンジニア本人は「自分は高い還元率で守られている」と会社を信頼している様子でした。それだけに、裏で繰り広げられている営業の不誠実な嘘を悟ってしまった私は、その日1日、なんとも言えない悶々とした気持ちで過ごすことになりました。

現在、SES業界では「高還元」を武器に採用活動を行う企業が急増しています。もちろん、本当にクリアな経営をして利益を還元している素晴らしい企業もたくさんあります

しかし、今回の事例のように、「エンジニアが自分の正確な単価を知る手段がないこと」を悪用したグレーな手法が存在するのも事実です。

私たちSES営業としては、こうした不誠実な企業に巻き込まれないよう、また、自社のエンジニアに対しては常に透明性を持って誠実に向き合わなければならないと、強く身が引き締まる経験でした。


Zianserでは、エンジニアと案件情報の透明な流通を目指しています。
単価情報の可視化や、BP企業との誠実なコミュニケーションをサポートする機能を無料でご提供しています。
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このコラムを書いた人

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Zianser編集部

グッドエフォート合同会社

SES業界経験15年SES営業10年以上PM教育AI推進

SES業界に15年以上携わり、営業・PM育成・AI活用推進を経験。 現場で目撃した「劕話」や「学び」を、コラムとして正直にお伝えします。 現在はグッドエフォート合同会社にSES営業支援ツール「Zianser」を運営。

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